残飯整理のご馳走 〜ミラノEXPOから〜





ミラノでは6月からEXPO2015が始まりました。
「地球に食料を、生命にエネルギーを」と「食」がテーマですが、各国の食文化、食生活だけではなく、食料の持続性と多様性を追求するアイデアを提供することが目的となっています。

137国に代表された141のパビリオンで構成されたミラノEXPO2015

137国に代表された141のパビリオンで構成されたミラノEXPO2015

 

ネパール地震の被害者への募金箱。文化は違っても各国が一体になる必要性のシンボルのように感じました。

ネパール地震の被害者への募金箱。文化は違っても各国の気持ちが一体になるシンボルのように感じました。

温暖化の影響でしょうか、毎年気温が上昇し、夏が厳しく感じるヨーロッパの夏です。
冷房の普及が少ないだけに、暑さしのぎの知恵は、日中でも雨戸を閉め日差しを遮り、外の熱い空気が家の中にこもらない工夫をする事。
そして日中の外出はさけ、涼しくなってから夕涼みをすること。
そんな昔からの知恵が徐々に習慣となり、日中は人影少ない町中に日が沈むと共に急に活気がもどり、夕飯も9時過ぎが当たり前です。
日本から来るとビックリしますが、イタリアに限らず地中海沿岸で暮らす知恵と教えられてます。

様々な建築デザイン、展示の内容、レストランで味見できる食文化など、いろんな角度で楽しめます。

様々な建築デザイン、展示の内容、レストランで味見できる食文化など、いろんな角度で楽しめます。

休息中のボランティア。2020年東京オリンピックのボランティアユニフォームはデザインコンペで決めたそうですが、こんな簡単なTシャツでも素敵です。

休息中のボランティア。2020年東京オリンピックのボランティアユニフォームはデザインコンペで決めたそうですが、こんな簡単なTシャツでも素敵です。

会場内はこんな乗り物で移動もできます。

会場内はこんな乗り物で移動もできます。

今でこそイタリア料理も厳選された高価な材料を使用した五つ星レストランが競われる時代になりましたが、イタリア料理の原点は「Cucina Povera – 貧しい食事」だったと料理好きの友人仲間は皆口を揃えて言います。
日本ではお米を一粒も残さずにご飯を頂くことが感謝のしるしであると同じように、お野菜は葉っぱも含めて使い切る、使いきれなかったら缶詰にする、残りものは再利用して違う料理にするなど、確かにそんな堅実的な発想から生まれた料理が沢山あることに気がつきます。

斬新なデザインが注目のイギリス館。蜂の生態をテーマにした内容でディスプレーが楽しめます。

斬新なデザインが注目のイギリス館。蜂の生態をテーマにした内容でディスプレーが楽しめます。

自然の恵み「空気」をテーマにオーストリアの森林を再現、自然がつくるクールな環境が暑さしのぎの来場者の人気スポット。

自然の恵み「空気」をテーマにオーストリアの森林を再現、自然がつくるクールな環境が暑さしのぎの来場者の人気スポット。

 

フランス館は食文化ではもちろん有名;でも内容はもっと深く、農産業の改革、代替エネルギーとなるコク物、料理と食べる道具の発展など、充実していました。

フランス館は食文化ではもちろん有名;でも内容はもっと深く、農産業の改革、代替エネルギーとなるコク物、料理と食べる道具の発展など、充実していました。

例えば、トスカーナの代表料理の「Panzanella-パンザネラ」;
暑さで食欲不振の夏場に人気の、パンと野菜のサラダですが、日が経って硬くなったパンを水につけて柔くし、トマト、バジリコ、玉ねぎスライス等生野菜を加え、オリーブオイルと赤いワインビネガーで味付けした簡単な料理。

同じような発想で生まれたトスカーナのスープ料理もありますが、硬くなったパンをスープストックで柔らかくしたドロドロとしたおかゆのような食感が美味しさの元となり、寒い季節の即席料理です。

日本人が白ご飯を毎日炊くのと同じように、主食のパンは毎日焼きたてをパン屋に買いに行きますが、食べ切られず次の日には硬くなってしまうもの。
パンだけではなく、茹ですぎて残ってしまったパスタも「Frittata-フリッタータ」というイタリアの卵焼き料理にいれて変身させる、そんな残り物の材料を美味しく再利用して頂く残飯整理の技から生まれたご馳走です。

以外と充実していたモナコ館:船のコンテーナーをリサイクルした建築を始め、内容も海産業の持続性を焦点に。海が原点の国ならでの発想でした。

以外と充実していたモナコ館:船のコンテーナーをリサイクルした建築を始め、内容も海産業の持続性を焦点に。海が原点の国ならでの発想でした。

やっとたどり着いた日本館は満場御礼で入場制限、入れませんでした。残念!一日では回りきれないので次回へ。暑さのせいで枯れている芝生に職員の人が水撒きしてました。

やっとたどり着いた日本館は満場御礼で入場制限、入れませんでした。残念!一日では回りきれないので次回へ。暑さのせいで枯れている芝生に職員の人が水撒きしてました。

ある地域では人口増加に供給が追いついていなくて食料不足、違う地域では生産があっても流通問題で過剰供給の食料が余っている状況等と、食料に関して一体となって考えなくてはいけない問題はまだ多くあります。

日本人の食生活はバラエティに富み、世界一豊かなのは誇りに思える反面、日本の食料自給率は減少傾向にあり、カロリーベースで約6割、生産額ベースで3分の1の食料を、それぞれ輸入に頼っているそうです。
「少なくとも食料では自立できる国になってもらいたいと思っています。」と、いただきますTV代表のM氏の言葉に考えさせられながら、豊富な食料では優等生のイタリアと日本も、使い切れずに捨てられる食料品が多すぎる事実を考えると、持続性、多様性に関してはまだまだ課題ありと確信させられました。

ライター紹介
ただの知代(ただのちよ) イタリア在10年、大学生の長男筆頭に下の二人は男女双子の三人の母親です。 お料理も大好きですが、クッキングよりも食文化に興味もっているので、そんなことをテーマに書くのが好きです。