「四角の外を考える」の発想





「EXPOミラノにきて世界を見よう」と宣伝ポスター

「EXPOミラノにきて世界を見よう」と宣伝ポスター

「日本から炊飯器がほしいんだけど」、そんなメッセージが東京滞在中イタリアへ帰途直前に届きました。
送り主は22歳の長男を筆頭に子供4人食べ盛りの大家族の母親であり、コンサルバトリオという専門音楽校で子供のコーラスとピアノを教える超多忙の友人だけに、予定を変え、海外使用の電気製品を扱う量販店にあわてて出向きました。
そういえば以前食事に来た時、カウンターで蒸気をだしながら自動的にお米を炊いている我が家の使い込んだ日本の炊飯器をうらやましそうに眺め、イタリアでも簡単な炊飯器らしき物は売っているものの、どうせ買うなら日本のがほしいと言っていたのを思い出しました。

ミラノ大聖堂(デゥオモ)広場に向かう道

ミラノ大聖堂(デゥオモ)広場に向かう道

ミラノの街中はEXPOミラノの宣伝で世界が短かに感じます

ミラノの街中はEXPOミラノの宣伝で世界が短かに感じます

Expoミラノ協賛するお店のマーク

Expoミラノ協賛するお店のマーク

持って帰ってきた炊飯器を届けてから数週間後、
「ところで、使い方解った?水加減は?お米仕入れた?」と尋ねると、
「すごい重宝してるの。アルボリオ米もカルナローリ米も何でも使えるし、この間はレンズ豆を炊いたらおいしくって!」と、象印やタイガーの社員が聞いたら「エッ?」とおもうような発言に、ビックリというよりも感心!
確かに炊飯器はお米を炊くだけと、決めつけているのは日本人だけで、蒸気を使って炊き上げるものであれば何でも作れるはず。

普通とは違う発想をしないとイノベーションにはつながらない事を示唆する意味で、「Think outside the box, 四角の外を考える」という表現がありますが、日本人では思いつかない炊飯器の使用方を忙しく働く主婦だからこそ思いついた友人の発想に脱帽、これで手抜き料理のレパートリーも増えると、思わず納得してしまいました。
ちなみにイタリアでは『Il Voce fuori dal coro,コーラスから外れた声」という表現がありますが、これも他人と同じ意見ではなく、自由な発想をもて、という意味だそうです。

入場券はメトロのキオスクでも売ってます

入場券はメトロのキオスクでも売ってます

イタリアの食卓の主食はパスタ、とどうしても思いがちですが、リゾットで代表されるお米料理や、穀物類は豊富です。
中でもイタリアでは「Legumi,レグーミ」と分類される乾燥した豆類(インゲン豆、レンズ豆、ひよこ豆、黒目豆等)は頻繁に食卓に登場します。栄養分が多く、満腹感もあることから、パスタやパンの代替品として炭水化物の取り過ぎを気にする人にも好まれていますが、乾燥させれば長期の保存も可能なことからは豆類は古くからイタリアン料理の主食として栽培されていました。
以前は自然食品の専門店でしかみつからなかった、南アメリカ原産地のキノアや日本のあずき豆も、最近は普通のスーパーで普及するようになりました。トマトで煮込んだり、野菜のスープのミネストローネに加えたり、柔らかく煮込んだ豆をクリーム状にして付け合せにしたりと、使い回しができる豆類はキッチンのストックに欠かせません。古くから食文化を支えてきた材料も、新しい感覚で調理をすれば、従来とは違う味覚が生まれ、豊かな食生活に貢献するはずです。

食料品とは関係ない宝石店でもこんなイキなディスプレー

食料品とは関係ない宝石店でもこんなイキなディスプレー

5月から始まったEXPOミラノ国際博物館。テーマは「地球に食料を、生命にエネルギーを」と、「食」に的をあて、各国の食文化、食生活だけではなく、食料の持続性と多様性を追求するアイデアを提供することが目的となっています。
オープニングから話題になっている日本館は「共存する多様性」をテーマに構成されていますが、サブメーッセジが、「いただきます、ごちそうさま、もったいない、おすそわけの日本精神が世界を救う」だそうです。
いただきますTVも共鳴できるこのテーマから何が産まれたのか会場に早く駆けつけたいな、と興味津々です。

ファッション店でのディスプレー

ファッション店でのディスプレー

子供服のお店にもパスタやトマトソースで演出

子供服のお店にもパスタやトマトソースで演出

ライター紹介
ただの知代(ただのちよ) イタリア在10年、大学生の長男筆頭に下の二人は男女双子の三人の母親です。 お料理も大好きですが、クッキングよりも食文化に興味もっているので、そんなことをテーマに書くのが好きです。