ミモザの花に込められたメッセージ





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我が家では木蓮の花の開花で春を迎えます。

ヨーロッパの冬は日が短い為暗闇の生活が長くうっとうしく感じます。それだけに、この時期は1日ごとに日が暮れるのが少しつづ遅くなる気配に、春が近づく兆しを感じてます。
遠くにいると、まず梅が咲き、桜の開花のフィナーレを迎えるまで展開され、冬から春へと移り変わる日本独特の季節感と風情が余計懐かしく感じますが、実は周りにもこの土地特有の自然の舞台の移ろいがあることに気がつきました。
我が家の庭ではまず硬く閉じて冬ごもりしていた木蓮のつぼみがポッコリと開き、ピンクの花びらが形を整える様子で春の訪れを確認します。日本で見られる桜の花びらが散る情緒あふれる風景とは違いますが、開花した木蓮の花びらが山並みを背景に風に舞う様子もそれなりに心を誘います。

小さなミモザの花束

小さなミモザの花束

3月8日は、「Giorno della donna」女性の日。イタリアにくるまではそんな日があることさえ知りませんでしたが、「国際女性の日」として国連にも正式に認定されており、女性の十全かつ平等な社会参加の環境を整備するよう、加盟国に対し呼びかける日と指定されています。
イタリアではこの日、女性を称えるこの運動のシンボルであるミモザの枝を贈る風習があります。たまたま今年は日曜日だったこともあり、お昼前の花屋にはブーケを買い求める人で賑わっていました。
男性が女性に贈るのももちろんですが、どちらかというと有志を讃える意味で、女性同士でミモザの小さな花束をおくります。

ミモザの粋なアレンジも売られていました

ミモザの粋なアレンジも売られていました

花屋のウィンドウ

花屋のウィンドウ

ミモザとチューリップのブーケ

ミモザとチューリップのブーケをオーダーしてました

ミモザのブーケ

ミモザのブーケ

説によると1904年3月8日にアメリカのニューヨークで、女性労働者が婦人参政権を要求してデモをしたことが始まりとなり、これを発端にドイツの女性社会主義者が1910年コペンハーゲンで開催された国際社会主義者会議で「女性の政治的自由と平等のためにたたかう」記念の日とするよう提唱したことから始まったといわれているそうです。
社会主義を背景に始まったこの運動が、1977年に国連の総会議で正式に認定されてから、社会における女性の平等、人権保護を称える日として一般的に認識されたわけですが、現在では参加国独自の解釈を反映した記念日が行われているようです。
背景となった政治的な趣旨は別として、イタリアでは女性の立場に感謝する、そんな気持ちでミモザの花を贈ります。

ミモザをあしらった商品

ミモザをあしらった商品

ミモザの花束を片手に

ミモザの花束を片手に

ケーキ屋も便乗して、ミモザをイメージにしたケーキを販売

ケーキ屋も便乗して、ミモザをイメージにしたケーキを販売

アメリカ、ハリウッドで開催された今年のアカデミー賞授賞式でも助演女優賞を受賞した女優が男女同権を訴え、共感を呼んでいたことも記憶に新しいことですが、ハリウッドに於いては具体的にいうと、男優と女優の出演料の格差への不満が引き金となったと思われます。
女性の教育、社会進出が進んでいるはずのアメリカのような先進国でさえ、まだ権利の格差が改善されていないのが事実であれば、世界には人間の基本的な権利でさえ欠如した、更に抑圧された環境で苦しむ女性がまだ多く存在するということです。

春の兆しを感じる頃最初に開花するミモザの花。桜や木蓮のような華麗な花ではありませんが、野生に育つたくましい花です。
女性の自由と平等化を促進する運動に共鳴する目的もありますが、「頑張っている姿応援しているよ!」そんな意味をこめたミモザをシンボルに、町中が黄色い蕾みで彩られる小粋な春の風習を、是非日本でも促進させてほしいものです。どうでしょう?

ライター紹介
ただの知代(ただのちよ) イタリア在10年、大学生の長男筆頭に下の二人は男女双子の三人の母親です。 お料理も大好きですが、クッキングよりも食文化に興味もっているので、そんなことをテーマに書くのが好きです。