リサイクルではなく”アップサイクル”とは?





リサイクルではなく”アップサイクル”、最近こんな言葉が気になりました。

リサイクルとどう違うかと言いますと、リサイクルの場合、プラスチック(資源)は、廃棄物を溶かして違う資源に変身させ、新たに製品化します。アップサイクルとは使用されなくなったプラスチックをその形のまま手を加え美化させ、違う用途として使用するのだそうです。そして、リサイクルの一番の問題はコスト。リサイクルする上でのゴミの分別、ゴミを溶かし違う資源に再生する行程にかかる製造費など、莫大なコストを必要とされます。環境を保護する上では必要経費であるとは思われますが、必ずしも効率的なゴミ問題の解決案とは言いがたいかもわかりません。

対するアップサイクルの例をあげますと、例えば古いアンティーク。捨てられていた古い家具を修復し、ペンキを塗り直し、デザインをモダン化させ生まれ変わらせてます。古い資源を新しい資源に変身させるよりもシンプルな行程。その製品が制作された伝統や歴史の背景を消すのではなく、存続させながら新しい用途を生み出す事がアップサイクルの趣旨なのだそう。

DSC_0770

コモ市中心外に2011年にオープンした駐車場です。

イタリアは実はアップサイクルの精神が住み着いている環境なのです、最近ある建物を前にそんなふうに再認識しました。コモ市中心外に2011年にオープンした駐車場:一見どの町にもありそうなマルチレベルのカーパークです。2006年に工事が始まり、5年の歳月をかけてやっとこぎつけたオープンニング式典では、駐車場だけではなく作業中に発見された遺跡を保存した考古美術館も同時にオープンしました。

公共施設の開発地域として土を掘り起こす作業中にローマ時代の”テルマエ”、公衆浴場の遺跡が発見されたのが1971年。それによって再開発にストップがかかり協議の的になってしまい、2006年になりやっと隣接された市内病院所有地と共同で駐車場として開発するめどが経ちました。その条件が遺跡も保存すること。

駐車場と遺跡が共存する、これこそ”アップサイクル”の精神を保ちながら、モダン社会のニーズと歴史の事跡の保存がうまく統合された実例だなと感心させられました。DSC_0690 DSC_0699DSC_0749DSC_0729DSC_0720DSC_0709DSC_0700DSC_0680久しぶりに戻るとすっかり変わっている東京の町並み。町が発展することは素晴らしいけれど、昔の面影も忘れたくない、海外からもどるとそう感じます。
特に2020年に開催されるオリンピック開催地に決まってからは新たな建築ラッシュが始まっているようですが、子供の頃よく遊びに行った前回のオリンピックの時に建築された駒沢公園などは、新しい公園ができたあとはどうなってしまうのかなと、考えさせれます。

最先端とか、革命的とかいう発展的な形容詞とは結びつかない経済活性化においては劣等生のイタリアですが、歴史や文化の影跡は大事にし現代社会と共存させる精神を蓄えている点などは、目先だけしか見えない開発に走りがちな日本の政策にも取り入れてほしいものです。


地元のアーティスト・Erika Trojerの作品。サングラスをリサイクルして作った作品です。

Erika Trojerの作品。廃棄されたパイプ、ワイヤーやネジなどを使った作品です。アップサイクルの精神が込められています。


ライター紹介
ただの知代(ただのちよ) イタリア在10年、大学生の長男筆頭に下の二人は男女双子の三人の母親です。 お料理も大好きですが、クッキングよりも食文化に興味もっているので、そんなことをテーマに書くのが好きです。

イタリア、コモ市。 コモ(Como、コーモとも)は、人口83,016人のイタリア共和国ロンバルディア州コモ県のコムーネの一つで、コモ県の県都である。 コモ湖を通じてスイスに接している。絹の産地として有名。 「”コモ”」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』より。 最終更新 2012年8月30日 (木) 12:50 URL: http://ja.wikipedia.org/