いただきますレポート〜種とやさい





スーパーや八百屋さんでは、無農薬野菜、有機野菜、低農薬野菜などと表記された野菜が並んでいます。これらは野菜を栽培する方法であり、いただいますTVでは、野菜の根本である「種」に注目して野菜を考えてみたいと思います。

伝統野菜(在来種、固定種)とは何?
「伝統野菜の復活をめざす動きが、 全国各地で盛り上がっています。
伝統野菜とは、 その土地で古くから作られてきたもので、 採種を繰り返していく中で、その土地の気候風土にあった野菜として確立されてきたもの。地域の食文化とも密接していました。野菜の揃いが悪い、手間がかかる、という理由から、大量生産が求められる時代にあって生産が減少していましたが、地産地消が叫ばれる今、その伝統野菜に再び注目が集まってきています。」(農林水産省ホームページより抜粋

伝統野菜(在来種、固定種とも呼ばれる)とは、その土地で何代にも渡って種が受け継がれその土地で何代にもわたり栽培されてきたことで、その土地の土、水、風土に適応した野菜といえます。

こうした野菜は、
1)      育つスピードにばらつきがあるため、収穫の手間ひまがかかる。
2)      一つ一つに個性があるため、形がふぞろい。
3)      形、大きさにバラツキがあるため、流通システムにそぐわない。(流通で使用される規定サイズの箱に詰めることができない。)

こうした野菜は大きさのばらつき、日持ちしないなどの理由で1960年以降、私たちの食卓やスーパーから消えていきました。

では、伝統野菜以外の野菜には何があるのでしょうか?
それは、F1(エフワン)と呼ばれる品種改良された野菜とGM種(遺伝子組み換え)の二つがあります。

F1野菜とは?
現在、スーパーマーケットや八百屋にならんでいる野菜は、その大部分が「F1(エフワン)」と呼ばれる1代交配種です。畑で薹(とう)が立つまで育てて、種子をとっても、その種子は発芽する力がなかったり、発芽しても先祖返りしてしまいます。
(小金井市・江戸東京野菜のまちHPより抜粋)

F1野菜とは異品種をかけあわせて作った一代限りの野菜のことであり、その特徴には、
1)生育が一定であるため収穫が安定、土地の最大利用ができる。
2)流通に便利=出荷で使う箱の大きさにあった一定した大きさで収穫できる。
3)発芽率が高い。
4)味、匂いが均一化しているので外食産業にとって使い易い食材。

このような特性から、1960年代以降から主流となり食料の安定供給に貢献してきました。
また、店頭にならぶときにどれも形が均一で見た目もいいという理由で、私たちは形がふぞろいな伝統野菜よりもこうしたF1野菜を消費するようになってきました。

F1野菜、雄性不稔(ゆうせいふねん)、ミトコンドリア異常
F1野菜を危惧する声が近年高まってきています。
何故そうした声があがっているのか、野口種苗・野口勲さんの講演をもとにF1野菜に関する情報をまとめてみました。

危惧する理由、その訳は大きくわけて2つあります。
1つには、F1野菜とは、おしべの無い、無精子症遺伝情報を持つ野菜のことであり、この無精子症はミトコンドリアの遺伝子異常によって起きている。つまり、いま食べているF1野菜は、すべてミトコンドリア遺伝子異常のある野菜ということになります。

2つ目には、自然界の摂理のなかではおこりえない異種の交配・配合が行われていること。(遺伝子組み換え野菜は、F1種とは違う方法で作られています。)

現在のF1種の品種改良の方法の主流となっているのが「雄性不稔(ゆうせいふねん)」を利用した品種改良です。
(野口種苗・交配種と固定種の作り方:http://noguchiseed.com/hanashi/F1or_4.html
雄性不稔(ゆうせいふねん)とは、人間でいうところの無精子症にあたります。

植物の世界では、突然変異で何万株に一つぐらいの割合でみつかる、おしべや葯(やく)がない花、つまり花粉ができない花がそれにあたり、そうした突然変異種を使った種作り〜品種改良がいまのF1種の主流となっています。

そのF1種の種ができるまでのプロセスを説明すると、
1)何万株の野菜の花から、葯(やく)やおしべのない突然変異の花を探し出す。
2)ビニールハウスにその花を移し替え、ハウス内の二酸化炭素濃度を100倍近くに上げる。
3)二酸化炭素濃度が高くなったことで、花の生理が狂ってしまい、通常では交配しない種類の野菜同士でも交配が可能となり、受粉させたい異なる植物同士を交配させることが可能になる。
4)ビニールハウスの中では、二酸化炭素濃度が高い環境でも生きていけるミツバチやハエを使って受粉させている。

このプロセスで採取された種がF1種であり、どの種もオリジナルの種と同じ雄性不稔(ゆうせいふねん)の遺伝情報を持った種が産まれます。

そして、近年の研究でミトコンドリア遺伝子の異常が雄性不稔=無精子症を引き起こすことがわかってきました。

つまり、
親の種と同じ無精子症遺伝情報をもったクローンの種だから、どの野菜の成長も同じ速度、収穫される時にも同じ大きさ・形になるという訳です。

遺伝情報に異常がある野菜を毎日食べ続けていて大丈夫なのか?そうした理由で、近年F1野菜の安全性への危惧、関心が高まっているといえます。

まだ仮説の段階ですが、人間の精子が減少していること、アトピーやアレルギー患者が増えていることなど、こうした遺伝情報に異常がある野菜を食べ続けていることと因果関係があるのではと考えられています。

又、ミツバチの突然失踪などもこうしたF1種の栽培と関係があるのではないかと考えられています。

参照:野口種苗ブログ・ミツバチは、なぜ巣を見捨てたか?http://noguchiseed.com/hanashi/mitsubachi.html

伝統野菜もF1野菜もおなじ「いのち」ここまで書くと、あたかもF1野菜は悪者というイメージになりますが、F1であっても伝統野菜であっても同じ「いのち」であることにかわりませんし、F1野菜が開発されたときには、ミトコンドリアの遺伝子の異常がもたらす問題も知られていませんでした。F1野菜のおかげで安定した食料供給が実現しているのも事実ですし、そうした見た目の良い野菜を受け入れてきたのも私たちです。
又、品種改良と一口でいっても様々な方法があり、消費者と生産者の為に様々な品種改良が長い年月をかけて研究・開発がなされていて、品種改良なくしていまの農業は成立しません。
(農林水産省:特集1 食の未来を拓く 品種開発・1)
http://www.maff.go.jp/j/pr/aff/1111/spe1_01.html

いただきますTVの考えかた:
良いとか悪いとか決めるのは私たちがどの視点から判断するかに委ねられています。伝統野菜もF1野菜も同じいのち。私たちは様々な「いのち」のおかげで生かされているわけで、すべての「いのち」に感謝したいと思います。
私たち消費者は知る責任があると思います。いま「いのち=種」にいま何がおきているかをきちんと知り、自分の責任と判断でどのような食材を選んでいくかということが、私たちの責任であり、これからますます大切なことになっていくと思います。スライド1

F1種:同じ遺伝情報のため、成長速度も同じです。収穫時は同じ大きさなので流通にも適しています。

F1種:同じ遺伝情報のため、成長速度も同じです。驚く程どれもすべて同じ大きさです。一報、箱の大きさが決まっている流通には適しています。

F1種:どれも同じ成長速度=収穫時期が同じ=土地の最大有効活用が可能になります。

F1種:どれも同じ成長速度=収穫時期が同じ=土地の最大有効活用が可能になります。農林水産省の統計によるとこうしたタネの8割以上が外国で作られています。

転換期のとき〜自然本来の野菜
小金井市のホームページで、F1種の野菜は、「発芽しても先祖返りしてしまいます」という記述があります。これはどういうことかといいますと、F1種から採れる種を植えると、次の代には異種交配で掛け合わされてきた様々な野菜の特性がでてきて、みたこともないような野菜が成長してくるそうです。ただ、こうした野菜を何代も育て続けていくと、いつしか本来の野菜の姿に戻っていくそうです。

つまり、ミトコンドリアに異常がある野菜も、その野菜本来の自然の姿に戻ろうとする力が内在しているわけです。それぞれの「いのち」の持つ力のすごさを感じさせられます。

野菜本来の姿、つまり旬の食材としての野菜たち。そして、春がくれば春野菜を食べ、夏には夏野菜、秋、冬にはそれぞれの季節の野菜を食べる。旬の食材とともに生きていく。そんな生き方が私たちにとっても環境にとっても優しい生き方なのではないかと思います。

しかし、いまの日本では、伝統野菜だけでは食料供給&需要を満たすことができないといわれています。その反面、日本国内の食料廃棄量は世界トップクラスという皮肉な現実があるのも事実です。野菜だけでなく、私たち自身の生き方を見つめ直すときなのではないでしょうか。

参考HP:江戸東京野菜通信
http://edoyasai.sblo.jp/category/1451029-1.html

補足:2014年現在、キク科と豆科の野菜では、雄性不稔(ゆうせいふねん)を利用した品種改良は行われていないそうです。ただキク科のレタスで最近、雄性不稔(ゆうせいふねん)の花が見つかったそうで、これを利用したF1種のレタスが市場に出回るのも近い将来のことであるといわれています。

遺伝子組み換え野菜
遺伝仕組み換え野菜に関しては、是非を問う様々な意見があります。

F1野菜と違ってこの遺伝子組み換え野菜は、遺伝子レベルで改良が行われているため、DNAが書き換えられた野菜は何代育て続けていっても本来の姿にもどることは二度とありません。

又、見た目はいつも食べている野菜や穀物でありながら、遺伝子が変わったため有毒な食材になるという可能性もあります。

この遺伝子組み換え野菜に関してはあまりにも複雑なので、素人意見を述べるのは控えさせてもらうかわりに、参考になる記事、情報をアップしたいと思います。

1.米国産小麦に係る遺伝子組み換え小麦の混入の有無に関する検査結果について。
農林水産省HP: http://www.maff.go.jp/j/press/seisan/boeki/130705.html

食品として危険がある遺伝子組み換え小麦が開発され、それが自生したという事例の報告です。

経緯:
(1) 米国農務省は、米国現地時間5月29日(日本時間5月30日未明)、米国及び我が国で商業栽培が未承認である遺伝子組換え小麦の植物体がオレゴン州の小麦農家の一つのほ場で自生していたこと、当該遺伝子組換え小麦は米国食品医薬品局(FDA)が食品及び飼料としての安全性を確認していること、市場流通は確認されていないが調査を継続中であること等について公表しました。
(2) これを受けて、農林水産省は、年間約300万トンを輸入している米国産小麦のうち、オレゴン州で生産される食糧用小麦(ウエスタン・ホワイト)及び飼料用小麦(ソフト・ホワイト)の販売と入札を、5月30日から暫定的に停止しました。
(詳細は農林水産省ホームページを見てください。)

2.豆科の野菜について:ウィキペディアより抜粋
豆科を代表する大豆は、遺伝子組み換えの大豆が世界の主流となっています。
2013年現在、全世界の大豆作付け面積の79%、トウモロコシの32%、ワタの70%、カノーラの24%がGM作物である(ISAAA調査)。

日本の輸入穀類の半量以上は既に遺伝子組換え作物であるという推定もある。

遺伝子組換え作物の開発・利用について、賛成派と反対派の間に激しい論争がある。主な論点は、生態系などへの影響、経済問題、倫理面、食品としての安全性などである。生態系などへの影響、経済問題に関しては、単一の作物や品種を大規模に栽培すること(モノカルチャー)に伴う諸問題を遺伝子組換え作物特有の問題と混同して議論されることが多い。食品としての安全性に関して、特定の遺伝子組換え作物ではなく遺伝子組換え操作自体が食品としての安全性を損なっているという主張がある。その様な主張の論拠となっている研究に対し、実験設計の不備やデータ解釈上の誤りを多数指摘した上で科学的根拠が充分に伴っていないとする反論もある[1]。

日本では、厚生労働省および内閣府食品安全委員会によって、ジャガイモダイズテンサイトウモロコシナタネワタアルファルファおよびパパイアの8作物288種類について、平成26年2月12日現在、食品の安全性が確認されている[2]。

3.農林水産省HP:遺伝子組み換え食品の表示について
http://www.maff.go.jp/j/fs/f_label/f_processed/gene.html

 4.農林水産省HP:
遺伝子組換えダイズ、トウモロコシ及びワタの第一種使用等に関する審査結果についての意見・情報の募集(パブリックコメント)について
http://www.maff.go.jp/j/press/syouan/nouan/131105.html

5.厚生労働省・遺伝子組み換え食品に関する情報
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/idenshi/index.html?utm_source=weibolife.appspot.com

遺伝子組み換え食品の安全性について:pdfファイル

遺伝子組み換え食品Q&A: pdfファイル