高知 輪切りたけのこ産地情報





Japan~Tokyo

たけのこ

今年の春のデリ「春野菜の若竹煮」、「エビと春野菜のグラタン」「たけのこと菜花のキッシュ」で使っている高知県の“輪切りたけのこ”のわけを高知パックの宮田専務に教えてもらいました。
高知パックさんでは、たけのこの水煮やふきの水煮、栗の甘露煮等の加工をされており、たけのこに関しては自社で竹林も持っていらっしゃいます。

本来土の中から芽が出てるかどうかくらいの頃に掘り出すたけのこですが、時期になると一斉に収穫をしなければなりません。
「雨後のたけのこ」という言葉もあるようにとても成長の早い植物のため、生産量が多くなると掘り切れなかったたけのこも
たくさん出てきます。

親竹として残しておくたけのこもありますが、掘り遅れたたけのこは3メートルくらいになってもまだ柔らかいので、切り倒して先の柔らかいところを加工されています。
節(ふし)のある下のほうは先に比べると固くて食べづらいため、食べやすい厚さに切ったものが、今回使っている“輪切りたけのこ”です。


竹林
陽の光が入って明るい竹林

竹林というと、畑で収穫できる野菜と違ってあまり手入れをしなくても良さそうな気がしますが、やはり手入れをするのとしないのとでは味も格段に違うそう。

高齢の農家さんが多くなっているので、今では7割の方が手入れをしていないそうですが、高知パックさんでは古い竹を切って、今年の親竹を残し、肥料をやったり、親竹も選別して大きいものだけを残したり、と手入れされています。

よその竹林を横に見ながら高知パックさんの竹林に向かいましたが、素人目に見ても手入れをされているかされていないかは一目瞭然。
まず竹林の光の量が違います。

たけのこをとったあとも「お礼肥え(ごえ)」と言ってすぐに肥料をやり、親竹のダメージを修復し地下で小さいたけのこが出来始める8月までに竹林の手入れを済ませます。
たけのこは皮をむくと1/3くらいの大きさになるので、毎年20~30トンの収穫があるが、加工して食べられるのは7~8トンほど。


顔をだしているたけのこ
地面から顔を出しているたけのこ。旬のたけのこは、ここまでも見えない。地面がわずかに盛り上がっているかいないかくらいのときに掘って収穫する。

親竹
こんな風に太く立派な筍は、親竹として残すために大きくします。下のほうから皮がむけていきます。徐々に大きくなって、立派な親竹になります。このようにまだ皮がついたままの竹は、竹林の中ではトーテムポールのように見えます。

顔をだしているたけのこ
地面から顔を出しているたけのこ。旬のたけのこは、ここまでも見えない。地面がわずかに盛り上がっているかいないかくらいのときに掘って収穫する。

輪切りたけのこ用
これらのたけのこが
“輪切りたけのこ”として加工される。

ビロードのような質感
あざらしの毛のような、
ビロードのような質感の皮

繊維の密度
繊維の密度が違うため、節(ふし)の上は柔らかいが、下は固い。
食べられるのは節と節の間の一部だけ。

ビロードのような質感
あざらしの毛のような、
ビロードのような質感の皮

牧場
皮は牧場で牛の飼料になっています。この牧場では牛たちは放牧されていて、このあたりに牛がいます。

竹には「オス」「メス」があります。見分け方は、下から見上げたときに最初にある枝が一本ならば「オス」、二本ならば「メス」だそう。
バランスよく残す必要があるけれど、やはりメスのほうが寿命が長く、どうしてもメスのほうが多くなりやすいそう。
たけのこは、「オス」「メス」に関係なく出来ます。
たけのこの味は、地下茎から伸びる時点ではオスかメスかわからないので、どちらが美味しいかはわからないそうです。


オスとメス
写真ではわかりづらいですが最初の枝は一本なので、この竹は「オス」です。

たけのこは「孟宗(もうそう)竹」と言う種類で、京都や九州が主な産地です。
特に京都のたけのこは、料亭でも使われるブランド物で大きくて(値段が)高いものが多く、長岡京のほうの産地では、竹林におがくずをひいてふかふかにして育てているところもあります。


輪切りたけのこ
輪切りたけのこを詰めてくれています

この「孟宗竹」は中国から伝来したものが江戸時代に入ってから全国的に広まりましたが、モンスーン気候でしか育たないため、東北以北の人にとっては馴染みの薄いものかもしれません。

日本古来の竹は「淡竹(はちく)」「真竹(まだけ)」と言い、竹かごや茶道具等の竹細工に使われてきました。
エジソンが発明した電球の材料にもなりました。
また中国では、竹は建築資材としてもよく使われています。香港や上海の高層ビルの足場としても竹が使われています。

たけのこは切っても生のままで置いておくと成長するため、収穫したらすぐにボイルするのが良いそう。“輪切りたけのこ”の場合は特に、すでに大きくなっていて劣化が激しいので当日中に加工しなければなりません。
家庭ではアクを抜くためにぬかを入れて炊きますが、高知パックさんでは何もいれずにボイルして、一晩ちょろちょろと出した水でさらしておくと、えぐみが抜けるそうです。
あまり水にさらしすぎるとえぐみと一緒に旨味や風味も抜けてしまうので、気の使いどころです。


竹の断面
まだ皮のついているような竹の断面

10月になって休眠状態に入るまで活動している竹は、中を水が通っている(吸い上げている)ため、竹にさわるとひんやり冷たい。
竹が保冷材のようになっているので、夏の暑いときに竹林にいくと、冷蔵庫のようにひんやりするらしいです。
木は、皮が邪魔していてさわってもわかりづらいかもしれませんが、竹と同じように水を吸い上げているので、森の中に入るとひんやりと涼しいです。
(余談:山の竹や木を伐採してそのままにしておくと、山に蓄えられた水を竹や木が吸い上げることがなくなり、土砂崩れ等の災害を引き起こす原因となります。)


ライター紹介

ひゅうもも
レポート提供:Café & Meal MUJI   
http://www.muji.net/cafemeal/
取材協力:高知パック