一粒萬倍 A SEED





日本のこころと美を伝える

「いただきます」。この一言には、たくさんの感謝のこころが込められています。例えば、お米を育ててくれた農家さんへ。これをお店に並べてくれた人たちへ。炊いて食卓に並べてくれた家族へ。「収穫・自然の恵み」や「ひとの営み」、そして「すべてのいのち」に感謝するこころを、たった6文字で表現しています。こんなに複雑でシンプルな言葉は世界でも類を見ないでしょう。

話はずいぶん昔にさかのぼります。古事記では、スサノオに殺された食の神様オオケツヒメの身体から、稲、麦、粟、大豆、小豆が生まれます。一つのいのちの犠牲から生まれた新しいいのち。これが五穀の起源とされており、いま私たちが食べているものは、いわば、オオケツヒメのいのちともいえます。

生きることは食べること。そして私たちが食べているものはすべていのちであり、他のいのちの犠牲のおかげで私たちは自らのいのちを保つことができています。「いただきます」に込められた感謝のこころは、きっと、私たちの“根幹”を形作っているものなのです。

また日本では、万物に神が宿る〜「八百万の神」〜が信じられてきました。海にも山にも、田んぼにも、台所にも、お米の一粒一粒に至るまでかみさまが宿っている、そう考えてきたのです。そんな日々の営みのあらゆるところに宿るかみさまに対し、私たちの先祖は「祈念」し、また「奉納」をもって感謝のこころを表現し慰めてきました。お供えするお酒や作物、御前で披露する舞や演奏。これらはやがて、ひとつの文化として形作られていきます。

「いただきます」に込められた感謝のこころ、八百万のかみさまに対する感謝のこころ、たくさんの“ありがとう”と伝統のなか育まれて来た日本の美を伝えたく、舞台「一粒萬倍 A SEED」は生まれました。八百万の神々が生まれて五穀の恵みをこの世界にもたらすまでのストーリーを「調和と融合」をテーマに伝統と現在、和と洋を組み合わして表現しています。

この舞台を通じて、日本のこころと美を世界に発信すると共に、一方では日本の芸能の新しいかたちを日本の人たちに見てもらい、 “いただきますの精神”と“日本文化の継承”に思いを馳せてもらえたらと願っています。
能楽堂上演_MG_9126_shttps://youtu.be/0EguQ0FOOKM

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